「得意なことを教えてください。あなただけの強みは何ですか?」
面接で、査定の面談で、提案の場で。そう聞かれた瞬間、頭の中が真っ白になる。
社会に出ると、自分の価値を言葉にする場面が増えていきます。
就職、転職、社内での評価。フリーランスや経営者であれば、他社との違いや、顧客に選ばれる理由を、常に問われ続ける。
そのたびに自分は何者になれるのかと探し求める。
自分がどのように役に立てるのか。
他より優れている点はどこか。
同じような考えばかりが、頭の中でぐるぐるとを回ってしまう。
特別な人になるには、才能と圧倒的な努力が必要。
そんな言葉を鵜呑みにしてしまえば、ほとんどの人が特別になれないような気さえしてしまいます。
もしかすると、私たちは気づかないうちに評価されることや比べられることに、慣れすぎているのかもしれません。
けれど実際に他人から褒められるのは、苦労して身につけたことよりも、自然とやっていたことの方が多い。
会議の前に、誰に頼まれたわけでもなく資料の体裁を整えてしまう。
人の話を聞きながら、つい相手の表情の変化が気になってしまう。
頼まれた仕事のついでに、誰も気づかないような小さな確認をしてしまう。
そういう、当たり前すぎて自分では気にしていなかったことが、誰かにとっては「助かった」と感謝されていることがある。
誰にでもできると思っていたことが、実はそうではなかった。
それに気づけるチャンスは案外少ない。
何も考えずにやっている。気になるからやっている。それがいつの間にか癖になっている。
そんな自然な振る舞いの中に、得意なことが隠れていることがあります。
あなたの価値とは、劇的な才能や必死に積み上げた努力の中だけにあるのではなく、
無意識に繰り返してしまう、小さな習慣の中にこそ存在する。
頑張らなければできないことを、無理に強みに仕立てようとせずに、すでに自然と続けている、ささやかなひと手間に目を向ければいい。
その方が、案外早く答えに近づくのかもしれません。
査定の場面で評価された。面接で褒められた。
それは意識して磨いた技術ではなく、習慣として続けていたことだった。そんな場面はありませんか?
年齢を重ねても、自分のことはよくわかっていない。
他人に褒められて、初めて気づくことも多くあります。
あなたの習慣が思っている以上に、誰かの役に立っているかもしれません。
価値は、他人より優れていることではなく、自分にとって自然すぎて見落としていることの中にある。